2019年06月01日

凍結治療

凍結治療


こんにちは獣医師鈴木です

今回は凍結治療のお話です

飼主さんの中にもご自身が
皮膚科で治療を受けたことがある❗️
という方もいらっしゃるコトでしょう

当院では主に
皮膚のイボ
まぶたのイボ
肛門のイボ
の治療に使っています。

イボとは曖昧過ぎる表現ですが
種々の良性腫瘍の事です

治療の内容は
細胞を凍結し
壊死させ
脱落の後
皮膚の再生を待つ
というものです

58A6916B-AE27-4C2E-BDE8-60BF0B6DB00C.jpeg

こんな器械です
先端から超クールなガスが出ます

1回で済む事もあれば
1〜2週間隔で2、3回
行う場合もあります

麻酔なしでできますので
高齢あるいは体調不良でも
治療可能です

私も経験者ですが
凍結処置中は
チリチリする感じ
針先でチクチク突かれた感じがあり
場所によっては
ちょっと痛みを感じます

ですので
嫌がる動物もいます


今回は
マイボーム腺腫の治療を
行ったワンコを紹介します


B033D5A3-EB79-4FA2-9290-3F9747BC2251.jpeg
1回目治療前の写真

ちょっと出血しています
この治療は悪性の腫瘍には使えませんので
処置前に細胞検査を行いました
そのため出血で目の周りが赤くなっています

良性の腫瘍であることが確認できましたので
治療開始です

すみません
処置中、処置直後の写真はありません

処置は凍結治療器を数秒当てること2〜3回で終了です


8CECE9DD-CDCA-4CC6-8B09-6CEF91411505.jpeg
7日後です

大きさを確認して凍結治療2回目



CD514E92-042D-4DD9-AA05-4D87B7F85AE1.jpeg
21日後

だいぶ小さくなりました

腫瘍の大きさ、副作用が起こっていないか
確認して3回目の治療
腫瘍は壊死していきますので
この間目ヤニが多くなりましたが
ワンコは気にしていなかったとのことでした



最初の治療から35日目

6F96204A-F1D0-4B47-B66A-8760591AB1F5.jpeg

BC75A185-707F-4DC7-9675-AA528EAC1D25.jpeg

ほぼわからなくなりました

生活に支障がない状態になりましたので
これで終了となりました


最後の写真で分かる通り
黒いまぶたの縁が白くなりまが
だいたいは時間とともに回復します

今回のワンコのマイボーム腺腫は
かなり大きいものでしたので
3回治療、計4回の通院
家では目薬をさしてもらいました

ワンコが15歳を過ぎていて
飼主さんは麻酔など負担のかかる治療を
躊躇していましたので
今回の凍結治療は良い方法でした

イボ
それ自体は命を脅かすものではありませんが
大きさやできる場所によっては
生活の質を落とします

凍結治療器は
身体への負担の少ない治療として
有効な方法です

最後に
体表面には悪性腫瘍ができる事もあります
簡単にイボと決めつけないようにしてください
かかりつけの動物病院で診てもらいましょう






posted by ベルスタッフ at 17:25| 診療日情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月15日

心臓の絵を描く。

みなさん、こんにちは!
春になると例年ぎっくり腰を発症する傾向があるため、腰に優しい生活を送る獣医師立川です。

私は一般臨床医として動物の病気全般を診察しているのですが、
循環器、いわゆる心臓や血管の病気の専門診療もしています。

循環器の病気は犬の場合は心臓の各部屋を区切って血流の逆流を防いでいる弁の病気が、
猫の場合は心臓の筋肉の病気が多く、診察では各検査を行った後その子の病気の状態を説明します。

そんな時、普段聞きなれない各部位の名前や血液の流れについては口で説明しても分かりづらいので絵で説明しています!


そこで各製薬メーカーや出版社なども説明に使うためのツールとして心臓の模式図を出してくれていますが
自分の思ったものとはちょっとずつ違ったりするので自分で書いてみました。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の心臓の模式図です。


まずは正常な心臓の各名称付きのものです。

各部の名称.jpg

さらに血液の流れを加えたもの。

MR説明用血液の流れ.jpg

僧帽弁閉鎖不全症では左心房と左心室の間にある血液の逆流防止装置である僧帽弁がうまく働かなくなり、
通常であれば一定方向にしか流れない心臓内の血流に逆流が生じ様々な症状をきたします。

まず、左心室と左心房を区切る僧帽弁が変性していきます。
(左が正常、右が変化が始まった心臓です)

MR説明用 B1.jpg

この段階では症状はまだ出ていません。

少しずつ僧帽弁は機能しなくなり逆流が増加、心臓は大きく拡張し状態は悪化していきます。(右は正常、左は末期の状態を表しています)
MR説明用D.jpg

図のように逆流が多くなり心臓が大きく拡大すると種々の症状が出てきます。

MR説明用症状.jpg

診療ではその子の病気の状態が現在どの程度なのかということ表なども使って説明しています。

MR説明用Stage表.jpg


この図もまだ直したいところが多々あり、少しずつアップデートしていきたいと思っています。
心臓の病気は複雑な病態が多いので、この図を使ってより分かりやすい説明を心がけたいと思います。
posted by ベルスタッフ at 19:16| 診療日情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月08日

ネコ健康診断の結果報告



こんにちは
獣医師の鈴木です

当院では毎年健康診断期間を設け
ニャンコ達の健康維持のお手伝いをしています

本年度は
2019年1月4日から2月28日まで実施し
多くのニャンコの受診をいただきました

その結果を報告します



1⃣猫健康診断を受けた猫
11.6%
当院に来院しているネコで
健康診断の対象となる頭数のうち
この期間に健康診断を実施したネコ

1割強の飼主さんが
猫の健康に強い関心を
お持ちだとわかりました



2⃣年齢区分
8才未満 28.6%
8才以上 71.4%
ネコのシニア期を8歳から
として分けました

高齢になる程
ネコの健康が気になる事がわかります



3⃣病気がみつかったネコ
検査を実施した全頭数のうち
病気がみつかったネコ 19.6%

8歳未満で病気がみつかったネコ 0%
8歳以上で病気がみつかったネコ 27.5%

今回の健康診断期間では
8歳未満のネコに
病気はみつかりませんでした

シニア期ネコの
3割弱に病気がみつかりました

この中には
何かしら異変に気付いたから検査をした
飼主さんもいたでしょうし
元気だと思っていた飼主さんもいたでしょう

飼い猫に病気がみつかった飼主さんは
ショックを受けたと思います

しかし
早期発見ができたことは
不幸中の幸いと考えましょう

進行した病気よりも
治る確率が高くなりますから!

以上報告でした



健康診断はいつでも受診いただけます
予約制となります
お電話での予約も承っています



今回
8歳以下のネコに病気は
みつかりませんでした

では
これらのネコに
健康診断は必要ないでしょうか

答えは、「必要」です

その理由は、また次回




posted by ベルスタッフ at 09:25| 診療日情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする