シリーズ慢性腎臓病第5回は『皮下輸液って何なのさ』です。
ヒトの病院で点滴をしているところをみたことがありますか?
あれは『静脈輸液』といって直接血管に針や管を通して輸液剤を流しています。
ヒトでは点滴(静脈輸液)をしている間静かに動かずにいてくれていますが、
動物ではそのようにいかないこともあります。
そんなときに『皮下輸液』の出番です。
皮膚と筋肉の間に点滴剤を注射し、
一時的に貯めその後徐々に吸収してもらいます。
これを『皮下点滴』といいます。
直接血管に点滴剤を入れないことで『静脈輸液』よりも急速に注射することができ、
時間をかけずに処置する事が可能です。
長い時間待てない場合や繰り返し通院で点滴が必要な犬さんや猫さんでは『皮下輸液』は有効だと思います。
とここまでは『皮下輸液』の説明。
では慢性腎臓病で『皮下輸液』が必要になるのはどういったときでしょうか?
慢性腎臓病にもタイプが色々とありますが、
動物(特にネコ)で多いのがおしっこが多くなるタイプの慢性腎臓病です。
慢性腎臓病が進んで食欲が落ちて水をあまり飲まなくなったり、
増えたおしっこで出て行く水分が飲水で補えなくなったりとすると脱水することがあります。
点滴の処置が必要になるのはだいたいこのタイミングです!
脱水し失った水分を点滴で補給するのです。
(ただ、この時の脱水が重度であったり、慢性腎臓病の血液検査の値などが悪ければ『静脈輸液』の方がいいと思います。)
慢性腎臓病ではこの脱水を起こす状態が維持されてしまいますので継続的な水分補給が必要になります。
継続的に水分補給が必要で、時間をかけずに処置してあげたい。
そんなときに『皮下輸液』の出番となるのです。
よって、
慢性腎臓病の『皮下輸液』は自力で水分を維持できない時に脱水の改善・予防のために行う!!
といったところでしょうか。
細かく考えていくとまだまだお話すべきことはありそうですが、
今回はここまで。
字ばっかりのブログになってしまったので最後に愛犬ごまの写真を。
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