2012年11月25日

皮下輸液って何なのさ??

こんにちは、そろそろ湯たんぽが手放せなくなる冷え性の立川です。

シリーズ慢性腎臓病第5回は『皮下輸液って何なのさ』です。

ヒトの病院で点滴をしているところをみたことがありますか?
あれは『静脈輸液』といって直接血管に針や管を通して輸液剤を流しています。

ヒトでは点滴(静脈輸液)をしている間静かに動かずにいてくれていますが、
動物ではそのようにいかないこともあります。

そんなときに『皮下輸液』の出番です。

皮膚と筋肉の間に点滴剤を注射し、
一時的に貯めその後徐々に吸収してもらいます。
これを『皮下点滴』といいます。

直接血管に点滴剤を入れないことで『静脈輸液』よりも急速に注射することができ、
時間をかけずに処置する事が可能です。
長い時間待てない場合や繰り返し通院で点滴が必要な犬さんや猫さんでは『皮下輸液』は有効だと思います。

とここまでは『皮下輸液』の説明。


では慢性腎臓病で『皮下輸液』が必要になるのはどういったときでしょうか?

慢性腎臓病にもタイプが色々とありますが、
動物(特にネコ)で多いのがおしっこが多くなるタイプの慢性腎臓病です。


慢性腎臓病が進んで食欲が落ちて水をあまり飲まなくなったり、
増えたおしっこで出て行く水分が飲水で補えなくなったりとすると脱水することがあります。

点滴の処置が必要になるのはだいたいこのタイミングです!
脱水し失った水分を点滴で補給するのです。

(ただ、この時の脱水が重度であったり、慢性腎臓病の血液検査の値などが悪ければ『静脈輸液』の方がいいと思います。)

慢性腎臓病ではこの脱水を起こす状態が維持されてしまいますので継続的な水分補給が必要になります。
継続的に水分補給が必要で、時間をかけずに処置してあげたい。
そんなときに『皮下輸液』の出番となるのです。

よって、
慢性腎臓病の『皮下輸液』は自力で水分を維持できない時に脱水の改善・予防のために行う!!

といったところでしょうか。

細かく考えていくとまだまだお話すべきことはありそうですが、
今回はここまで。

字ばっかりのブログになってしまったので最後に愛犬ごまの写真を。
写真.JPG


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posted by ベルスタッフ at 19:06| 慢性腎臓病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月19日

慢性腎臓病になるとどうなっちゃうの??

こんにちは、うちの犬の換毛がはじまりブラッシングと掃除に追われている立川です。

シリーズ慢性腎臓病第4回です。

今回は『慢性腎臓病になるとどうなっちゃうの』です?

症状としては・・・

早期    :無症状の事が多い。
腎機能不全期:腎臓の濾過量が落ちてきて、尿量が増えたりお水をたくさん飲んだりします。
腎不全期  :食欲不振、体重減少が見られ元気がなくなったりします。
末期    :尿毒症が進行し、痙攣や昏睡のような神経症状が見られる。

・・・などと書いてあるものが多いかな〜と思います。

だいたいみんなこんな感じで慢性腎臓病の症状は進んでいくと思いますが、
ここで注意したいのはその進行の早さです!

特にネコさんの慢性腎臓病では病気の進行がゆっ〜〜くり進むことがあります。
そうするとかなり病気が進んだ状態でも(検査をするとビックリするぐらい数値が悪くても)、
わりとしっかりとご飯を食べてくれているという状態にある場合があります。

進行がゆっくりであるとその悪い状態に体が慣れる(適切な表現でないかもしれませんが)ことがあるのかもしれません。
進行のスピードによってはやはり進んでから発見ということもあり得るのです。

『年だから』と思う前に病気でないかどうかもう一度考えてもいいのかもしれません。

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posted by ベルスタッフ at 12:30| 慢性腎臓病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月25日

尿の濃さはどうですか??

そろそろ趣味の盆栽の春の作業の準備を始めた立川です。


前回は『どうやったら慢性腎臓病かどうかわかるのか??』という事でした。
今日は慢性腎臓病シリーズ第3回は、
『お宅の子、尿の濃さはどうですか??』です。



血液検査では腎臓の機能が正常の4分の1以下にならないと検出が難しいと前回書きました。
そんなに腎機能が減ってからでは病気の見通しも明るくはありません。
できれば早い段階で病気を発見したい!
それではどんな検査が腎臓病を早く発見できるのでしょうか??


現在、大学などでは初期の腎臓病を発見するために色々な研究が進められています。
中には将来有望なものもあるようですが、
今のところ一般病院で検査できるよう商業ベースにのったものはありません。
(近々、のりそうなものもあるようですが・・・・)


それでは簡単にでき、血液検査より先に腎臓病を見つける手段には何があるのでしょうか??


それは『尿の濃さを確認する!!』です。


腎臓は正常であれば濾過した水分のうち必要なものは体に戻してくれます。
しかし、腎臓病が進んでくると必要な水分も尿中に排泄してしまいます。
すると、尿の濃さが薄くなってしますのです。


この現象が確認できるのが腎機能が正常の3分の1以下になってからという事で血液検査より早く確認できます。

腎臓以外のの病気から尿の濃さが薄くなる事もありますし、
まれに腎臓の病気でも尿の濃さが薄くならないものも有りますが

『最近、水をよく飲むようになった』
『おしっこの量が多くなったワ』

という事があったら、まず尿検査を受けてみて下さい。
もしかしたら、病気を早く発見できるかもしれません。。


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posted by ベルスタッフ at 09:39| 慢性腎臓病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする